コース紹介

大学院音楽研究科には、器楽・声楽・音楽教育学・作曲の4専攻が開設されています。レッスン担当教員や論文・副論文指導担当教員が、音楽芸術についての深い学識と技術を授けることで、研究活動をサポートします。これと並行して、大学院の運営を司る各コースの統括教員が、学生の将来を見据え、高度の能力を備えた人材として、音楽家或いは音楽研究者となるために必要な指導を行っています。

音楽教育学

昨今、社会における価値観の多様化と深刻な少子化の波は、音楽教育学の分野にも様々な影響を及ぼし、音楽教育が抱える問題は多岐にわたっています。本専攻では学校や社会において今後の音楽教育はどうあるべきか、今日の音楽文化に音楽教育がどのように関与していくべきかといった問題意識を踏まえ、このような現代における音楽教育の諸問題に対応し、かつ院生個人の研究の支えとなるべくカリキュラムを組んでいます。2年間の修士課程では、各自の研究テーマについて、先行研究の探索とその確実な理解から始め、テーマを多角的に考察し、また実践を通じて検証も行いつつ問題を掘り下げていきながら、充実した修士論文が完成できるよう指導していきます。人間と音楽の関わりあい、音楽と社会のつながりがますます複雑なものになってきている現代にあって、音楽教育の未来を見つめる人には、何よりも「深く探究する心」、「本質を見失わない確かな見識」が求められるでしょう。本専攻ではそのような人材を養成することを目指しています。

コース指導教員
佐藤 昌弘 Masahiro Sato
Pick Up! Curriculum
音楽教育特殊研究
【主題】
現代の音楽教育に関する諸問題について、グローバルな視点も含めつつ多角的に考察します。
◎ 2020 年度講座テーマ:日中の学校教育における今日的課題…今日の日中国の就学前教育と学校教育における問題について、ナショナルカリキュラムおよび先行研究や実践報告より分析、考察。
◎ 2019 年度講座テーマ:カリキュラム・デザインにおける理念と内容…学校教育や民間教育における様々な音楽学習のカリキュラムについて、具体例をもって分析・理解し、その問題点を抽出。
音楽表現研究
【主題】
各種教材としてクラシック作品を活用するため、その音楽構造を独自の視点で洞察します。
◎ 2020 年度講座テーマ:クラシック音楽の作編曲法の基礎
~音楽教育学における音楽表現領域に必要とされる作編曲法の知識と技法~
◎ 2019 年度講座テーマ:ロマン派落日への眼差し ~ R.Strauss、S.Rachmaninoff の作品と生涯を通じて19世紀末から20世紀前半の西洋音楽史を俯瞰する~
修士論文題目例
2020年度: 「児童の能動的な学習を促すピアノ指導法の開発 ―中国のピアノ指導の現状を踏まえて―」
2019年度: 「高等学校音楽科教育における創作活動のICT活用に関する検討 ―eポートフォリオを活用した創作活動の提案―」
  • 専門必修科目

    • 音楽教育学研究
    • 音楽教育学演習 I・II
    • 音楽表現研究 I・II
  • 専門選択科目

    • 音楽教育特殊研究1~4
    • 合奏指導法研究1・2
    • 副科研究1~4
  • 共通選択科目

    • 作品研究法
    • 楽曲分析法
    • 楽書研究1・2
MESSAGE

陳 懌亭音楽教育学 国立台湾海洋大学卒業

大学院音楽教育学専攻では、様々な方面から音楽教育の課題に着目し、幅広く音楽教育に関する研究に取り組んでいます。その中で、大学院生個々の研究テーマに合わせ、各専門の先生からアドバイスが受けられることから、大学院生の研究の自由を尊重しています。私も自分の研究分野であるマーチングバンドについて、大学院の講義で学んだ音楽教育的な視点を活かし、学部のバンドに参加することも加えて研鑽を進めています。また、カリキュラムでは副科研究もあり、専攻以外の実技が学べ、研究だけではなく、より多角的な視点で音楽教育を理論から実践につなげることができると思います。