コース紹介

大学院音楽研究科には、器楽・声楽・音楽教育学・作曲の4専攻が開設されています。レッスン担当教員や論文・副論文指導担当教員が、音楽芸術についての深い学識と技術を授けることで、研究活動をサポートします。これと並行して、大学院の運営を司る各コースの統括教員が、学生の将来を見据え、高度の能力を備えた人材として、音楽家或いは音楽研究者となるために必要な指導を行っています。

作曲専攻

音楽・音響デザイン

音楽・音響デザインコースでは、実践的かつ高度なテクニックについて効率良く指導し、社会のニーズに合った音楽を創造することのできるクリエイター、あるいはレコーディングエンジニアを育成します。特に映画音楽の作曲技法について特化した内容のカリキュラムがあり、その分野で活躍している作曲家による週1回の直接指導により実践的なテクニックを学ぶことができます。一方レコーディングは、広いブースを完備するレコーディングスタジオにおいて実践的な研究が可能です。また、本コースはダブルレッスン制となっており、例えばレコーディングと作編曲の両方を同時に学ぶことが可能です。さらにDJパフォーマンス、Cycling '74 Maxのプログラミング、立体音響、Unity、Mayaなどのツールを使用したCG制作など、自由な組み合わせが可能です。このように、個人の志向やレベルに合わせて、伝統的なスタイルとPCベースの現代的なアプローチを織り交ぜながら自由に学ぶことができるようになっています。

コース指導教員
山下 康介 Kosuke Yamashita
森 威功 Takeyoshi Mori
Pick Up! Curriculum
フィルムスコア特殊研究【栗山 和樹】
ある映像やシナリオに対してどのような作曲が相応しいのか、あらゆるサウンド感覚を様々な視点から研究し、実際に作曲したものを映像に合わせます。
ミュージック・プロダクション実習【渡辺 俊幸/山下 康介/上倉 紀行/前田 康】
音楽制作に関するレクチャーに加え、録音実習を実施します。あらかじめ決められた編成で作曲をし、当日のディレクションにより録音を進めます。ミュージック・プロダクションの一連の流れを習得するための実践的なプログラムです。
レコーディング・テクニック研究【徳永 宏】
スタジオの機材の取り扱い方から、スタジオワークにおけるマイキングやミキシング、ProToolsについて学習します。
映像制作研究【山田 剛志】
Maya、After EffectなどCG制作の一連のワークフローを学びます。また、Unityを活用したプログラミングにより、簡単なゲーム制作も学びます。
サウンド制作特殊研究【森 威功】
サウンドを捉えるための知識を充実させ、音の加工や処理方法を学びます。
ソングライティング特殊研究【菅原 サトル】
ポピュラー音楽史を様々な視点から分析し、それぞれの世代における楽曲構造やハーモニーなどの動向を解き明かしていきます。
  • 専門必修科目

    • 創作制作研究 I・II
    • 音楽音響理論研究 I・II
  • 専門選択科目

    • 音楽・音響デザイン特殊研究1・2
    • ライヴ・エレクトロニクス研究1・2
    • デジタル・オーケストレーション研究1〜4
    • 録音・音響特殊研究1・2
    • 映像特殊研究1・2
    • 副論文作成研究
  • 共通選択科目

    • 作品研究法
    • 楽曲分析法
    • 楽書研究1・2
MESSAGE

佐藤 隼斗音楽・音響デザイン 学習院大学卒業

このコースでは、映画やゲームなど他媒体の中で音をどのように表現できるかについても学ぶことができます。私自身は山下先生にフィルムスコアリングやオーケストレーションを習いながら、森先生のMaxプログラミング研究やライヴ・エレクトロニクス研究を履修し、1年でインタラクティブな表現ができるようになりました。またクラシカルな指揮法からビートメイキングまで、コース授業も充実しているので、自分の好みに合ったものを履修できます。

作曲

作曲コースは、作曲家として個性ある作品を創作できる語法を獲得できるよう、現代を含む様々な時代における作曲語法の研究や、高度な楽曲分析を行います。まず2つの個人レッスン科目を用意しており、「創作研究」では主に作曲語法の研究と創作を、そして「作曲理論研究」では和声法や対位法をはじめとして、20世紀以降の技法の研究を深めることができます。「作曲法特殊研究」「楽曲分析法特殊研究」「アンサンブル特殊研究」といった専門選択科目授業が用意され、オーケストラ、吹奏楽、合唱、舞台音楽など様々な編成や音楽様式について、受講者の志向や適性に応じて教育プランを組み立てることができます。また、専門分野で活躍する教授陣の指導のもと、コンクールや音楽祭などへの出品の準備を行うこともできます。

コース指導教員
清水 昭夫 Akio Shimizu
Pick Up! Curriculum
作曲法特殊研究
和声法や対位法など19世紀頃までの技法をはじめ、十二音技法など20世紀以降の技法の研究を深めます。受講者が希望する技法を高度に発展させることができます。
アンサンブル特殊研究
主に室内楽を主とした合奏の形態について研究を深めます。各楽器を高度に活用したアンサンブルの可能性を追求し、自らの作品へと発展させることができます。
  • 専門必修科目

    • 創作研究 I・II
    • 作曲理論研究 I・II
  • 専門選択科目

    • 作曲法特殊研究1・2
    • 楽曲分析法特殊研究1・2
    • アンサンブル特殊研究1・2
    • 副論文作成研究
  • 共通選択科目

    • 作品研究法
    • 楽書研究1・2
MESSAGE

藤森 千陽作曲 尚美学園大学卒業

洗足学園音楽大学大学院作曲専攻(作曲)では、自分の作品を演奏できる機会が多くあります。新しい音楽が生まれる瞬間を目の前で見聴きすることで、楽譜を通してどのように奏者へ音楽を伝えるべきか実践的に学ぶことができます。授業内容も専門的で充実しており、様々な時代の作曲技法を身につけられます。積極的に挑戦する姿勢があれば、沢山のチャンスを掴むことができると思います。