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【知らなかった?これが上達の秘密!】『シタール編』

このコラムはワールドミュージックコースのFacebookからの転載です。

第1回:良い音色の秘密

シタールの音は独特の「味」があるのですが、「いい音」(シタールらしい音)を出すには、やはり右手の撥弦ストロークの基本練習になります。それから、音を出す前にしっかり調弦をすることが大事です。この2つがなければ、決して音はよくなりません。ピアノなどと違って、固体差が大きいのも特徴ですね。一応音が出ている人も、いつも基本に立ち戻りましょう。(小日向英俊)

第2回:リズムの秘密

リズムをとらえるには、拍の表だけでなく、裏を感じることが大切です。例えば縄跳びやブランコの重心移動で、カーブを描くような「うねり」が遠心力を生むように、裏拍への意識が、表拍の感覚をよりクリアにします。そういう裏のタイミングを掴めば、表の拍での安定感も増し、アンサンブルでも他の人と自分のパートがどう絡んでいるか、が解りやすくなるでしょう。メトロノームに加え、足拍子でしっかり表拍を取ると、体の中で表拍と裏拍のメリハリを感じると思います。(小日向英俊)

第3回:フレージング、アーティキュレーションの秘密

インド音楽は、旋律の「切れ目がない」などと言われることがあります。音楽文化によって旋律やリズムの構造が異なるため、どこに重点があるのか、どこが切れ目なのかも把握できないからです。またインド音楽には、旋律を支える「和声(コード)」がないため、旋律の「進行」を感じられないのかもしれません。インド音楽のフレージングは、インド音楽の旋律の文法を理解し、ラーガ(旋律法)の個々の音の役割を理解することです。自由リズムで演奏するアーラープ・セクションが特に難しいと思いますが、重点のある音を長く使い、その音で終わるとの原則を理解すると、即興を展開するとき、音楽を聴くときの目安になると思います。1つのラーガを1年間なり長い時間をかけて学ぶと、そのフレーズの終止感や「間」の取り方が体得できてくるのを実感できると思います。(小日向英俊)

第4回:難易度の高い箇所の練習の秘密

弾丸のように速いフレーズや、音程が広いミーンド(チョーキング)は、シタール演奏でも特に難度が高いテクニックです。ギターに比べて1オクターブを弾くために、ネックの半分ほどの指移動が必要なため、速度が速くなると難しいですね。右手と左手の同期を意識しながら、スケールを替えながら繰り返すことで、克服できるようになります。ミーンドは、手の形と弦を押さえる指頭位置に着目して、繰り返しましょう。
(小日向英俊)