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【知らなかった?これが上達の秘密!】『マンドリン編』

このコラムはワールドミュージックコースのFacebookからの転載です。

第1回:良い音色の秘密

「弦にピックがどのように当たっているかをよく見てみる」
弦に対してピックは垂直に!というのが一般的ですが、もちろんそれも大切ですが(特にトレモロの時)少し斜めに当ててみるとまた音色が変わったり、サウンドホールに深く入れたりすることで音色は微妙に変わっていきます。一つの当て方でなく色々試してみることが音色向上につながるのではないかと思います。(児嶋絢子)

第2回:リズムの秘密 その1

マンドリンではトレモロ奏法を使用することがあります。これは音を持続させるためにピックを上下に素早く動かす奏法です。トレモロで演奏する場合、思った通りのリズム感がだせないと感じることがあるかもしれません。例えば、運指や移弦によってトレモロがリズムと違うところで切れてしまうことがあります。フレーズの切れ目とは違うとところでトレモロが切れていないか注意してみましょう。右腕に力が入りすぎていないか、逆に力を抜きすぎていないか意識してみるといいと思います。特に移弦する時に力みすぎないようにしてみましょう。ポジション移動や移弦によって間違ったところにアクセントがつかないようにしてみることも大切なことだと思います。(児嶋絢子)

第3回:リズムの秘密 その2

前回、トレモロ奏法で演奏する際のリズム感について少し書きました。今回はピッキング奏法で演奏する際のリズム感について触れてみようと思います。特にリズム感が失われやすいのが「2拍3連音符」です。メトロノームを使っても曖昧になってしまうことが有ります。弾く前に三連音符に「ティ•ヤ•タ」などの言葉を当てはめて、メトロノームを鳴らしながら歌ってみましょう。弾く際にダウンとアップで均一な音量が出ているかどうかというのも注意点です。2拍目の頭を意識し、さらに最後の音が短くならないようにしましょう。トレモロ奏法でも言えることですが、手首と腕のコントロールをしっかりすることはリズムだけでなく演奏するのに重要なことだと思います。(児嶋絢子)

第4回:フレージング、アーティキュレーションの秘密

『フレージング』についてです。フレーズの最後、音が唐突にプツッと切れて終わってしまうのを耳にすることがあります。トレモロでの演奏で自然にフレーズの最後を収めたい場合は、軽くデクレッシェンドしながら右手の力を極力抜き、ピックを上の弦、下の弦にピタッとつけてブツっと終わらせるのではなく弦から離してスッと抜いてみるといいと思います。アップで終わるなら下の弦を1本だけ軽くアップしてみましょう。ダウンで終わる場合も1本だけ軽く。トレモロでもダウンやアップで終わる場合でも左手をすぐに離すと音が切れてしまうので、すぐ離してプツッと切れてしまわないように注意すると自然なフレージングができると思います。フレーズの最後を収めずにそのままクレッシェンドしたい場合でも急に切るのではなくやはり右手を自然に抜いて次のフレーズに入るといいと思います。(児嶋絢子)

第5回:難易度の高い箇所の練習の秘密

一つの曲の中に弾きこなすのに難しい箇所があるとします。ひたすらその箇所を抜き取ってそこだけを何度も反復練習する。という練習も方法の一つだとは思いますが、そうなるとまた違う曲の中で難しい箇所が出てきた時にまた同じようにその箇所をひたすら練習することになります。抜き取り練習も重要ですが、それと別にもう一つ定期的な技巧練習は必要だと思います。例えばオデル1巻の最後の方に出てくる技巧練習のところ。ただそれを弾くのではなく例えば「ドレミド レミファレ ミファソミ...」でしたら「ドドドド レレレ ミミミミ ドド レレ ミミミ ファファファ レレレレ」のように一つの音符に対して四つ三つ二つ一つと色々なコンビネーションで弾いてみると右手と左手のバランスが取れてくると思います。弾き出しをダウンから始めるだけでなく、アップからも始めてみるとさらに右手のコントロールにもつながります。カラーチェの教則本の中にある技巧練習も、練習を始める前に一度必ず通してみるのもいいと思います。色々な調性でスケールの練習が載っている教則本を使用するのもいいと思います。(例えばシェフチークのバイオリンの教則本。各巻によってさまざまなテーマの練習があります。ポジション移動と音階の練習など。)いくら左手が早く動いてもそれに右手がピタッと合わなければ音は出ません。やはり右と左のバランス、コントロールの練習が鍵になると思います。(児嶋絢子)

最終回:表現力の秘密

「表現力」ですが、これは一番はじめのテーマでも触れた「ピックの使い方」がとても重要になってくると思います。こんな表現したいな。と思ってみてもそれを音にするのは簡単では有りません。ピックの当て方や力加減で何通りもの音色が出せると思います。ピック自体も一つのピックを使うのではなく色々な種類のピックを試してみるといいと思います。私の場合、暖かみのある丸い音を出したい時はドイツ製のゴムのピックを使用しています。ただそのまま使うのではなく、粗さの異なる紙やすりで厚みや角を整えて使用しています。厚いのも有れば薄くしているのもあります。そのピックを用いて、さらに弦にどのような角度で当てるとどんな音が鳴るのかを色々試してみると表現の幅も広がってくると思います。一番は自分がどんな音を出したいのかイメージして、その音を出す為にはどうしたらいいか(右手の強さやピックの種類、弦にどのような角度で当てるか)を試行錯誤してみることだと思います。(児嶋絢子)