コース紹介

コースの特色

世界の音を伝え、未来を創造する。

 ワールドミュージックというコース名になっていますが、民族音楽専門の演奏家、研究者を養成するためのコースではありません。
 クラシックギターやマンドリンといった楽器を専攻する学生は、いわゆる「西洋クラシック音楽」を専門に 勉強します。本学はクラシック音楽の音楽大学でもありますので、ソルフェージュ、和声学、 対位法、楽曲分析、西洋音楽史といった普通の音大で行う理論的な学習カリキュラムも充実しています。
専門実技のレベルアップを図るカリキュラムとしては、 実技の個人レッスンはもとより、室内楽として他の楽器とのアンサンブルのレッスンや授業ももちろんあり、ここではバロック音楽から近現代のクラシック音楽の作品を勉強していきます。
 その一方で、コースの専門カリキュラムの中にはアパラチア音楽、南米音楽、北インド音楽、フラメンコを専門の先生から学ぶ授業があります。それは、世界の様々な音楽にある、特徴的なリズム、音の使い方 (旋法)、奏法などすべてにおいて本物のスペシャリストから教えをうけ、本物の音楽に触れ、自分でもそのリズムや旋法を体感し、各自の感覚にそれぞれの音楽のエッセンスを取り込むというコンセプトでやっています。特に各音楽のリズムに関しては、ほんの少し知っているだけではグルーブ感を出すことは難しく、専門の先生から直にしっかりと習うことでリズム感が鍛えられ、専門のクラシック音楽の演奏にも役立つようになっています。
* 中学、高等学校の音楽教員免許の取得が可能です。

Point 1
「世界中の音楽」を様々な楽器で学べる

下記の楽器から専門実技を選択し、奏法研究を行います。

  • 鍵盤楽器
    • チェンバロ
    • アコーディオン
    • バンドネオン
  • 弦楽器
    • クラシックギター
    • フラメンコギター
    • マンドリン
    • フラットマンドリン
    • ドブロギター
    • バンジョー(5弦)
    • 二胡
    • ウード
    • ウクレレ
  • 管楽器
    • リコーダー
    • クロマティックハーモニカ
    • オカリナ
    • ケーナ
    • サンポーニャ
  • 打楽器
    • 中近東
    • ダラブッカ
    • レック
    • タール
    • 西アフリカ
    • ジェンベ
    • ジュンジュン
    •  
    • インド
    • タブラ
  • 電子楽器
    • モジュラーシンセサイザー
Point 2
目標に合わせて選択できるフレキシブルな専門レッスン

ワールドミュージックの楽器を集中して学ぶ単専攻と、異なるカテゴリーを学び、音楽性を広げる複専攻があります。

単専攻
ワールドミュージックの専門研究楽器を集中して学ぶ
主科
  • 鍵盤楽器
  • 弦楽器
  • 管楽器
  • 打楽器
  • 電子楽器

1種類の楽器(50分)

+

副科
  • 鍵盤楽器
  • 弦楽器
  • 管楽器
  • 打楽器
  • 電子楽器

1種類の楽器(20分)

カリキュラムの選択例


複専攻
異なるカテゴリーを学び演奏スタイルの幅を広げる
主科
  • 鍵盤楽器
  • 弦楽器
  • 管楽器
  • 打楽器
  • 電子楽器

1種類の楽器(30分)

+

主科
  • 鍵盤楽器
  • 弦楽器
  • 管楽器
  • 打楽器
  • 電子楽器

異なるカテゴリーの楽器、または他コースレッスン(30分)1種類の楽器(30分)

+

副科
  • 鍵盤楽器
  • 弦楽器
  • 管楽器
  • 打楽器
  • 電子楽器

1種類の楽器(20分)


Point 3
音楽に関わるあらゆる知識を身につける実践的なカリキュラム

実技だけでなく、制作の学習も可能です。創作や録音の学習を達して新しい演奏スタイルに挑戦していきます。

  • 演奏系
    • ●室内楽研究
    • ●ワールドミュージック演奏論
    • ●音楽表現演習1~4
    • ●即興演奏講座
    • ●社会実践演習
  • 研究
    • ●ワールドミュージック概論
    • ●諸民族の音楽
    • ●楽器と演奏論
    • ●楽曲分析研究
    • ●WM応用研究1~2
  • 創作系
    • ●DAW演習l
    • ●テクノパフォーマンス研究
    • ●楽曲分析研究
    • ●20世紀の作曲技法
  • 録音系
    • ●Pro tools演習
  • 理論系
    • ●和声学
    • ●作曲法・編曲法
    • ●対位法
    • ●ハーモニー
  • 基礎能力
    • ●ソルフェージュ
    • ●西洋音楽史
    • ●音楽分析基礎講座
  • 舞台系
    • ●舞台音楽論
    • ●舞台芸術概論
    • ●ミュージカル概論
  • 指導者育成(教員免許取得に係る科目)
    • ●教職ピアノ実習
    • ●指揮法
    • ●和楽器演習
    • ●声楽
    • ●教職合奏指導法
    • ●教職合唱指導法
    • * 中学、高等学校の音楽教員免許の取得が可能です。
音楽大学ならではの実技レッスンの充実!実践的なレッスンが可能

専門実技(主科)の他に副科実技を履修することができます。好きなレッスンを自由に選択することができますが、副科を主科へ関連づけることで、専門分野の理解がより深まり、実技のレベルアップにつながります。これが音楽大学ならではの学習環境の利点です。

卒業後

ワールドミュージックコースで専門の楽器を学び、音楽の研鑽を積み、将来、演奏家、指導者として活躍していくことが、その楽器の未来を創っていくことになります。
まずは演奏家としての活動。大学で優れた先生方より学んだ演奏技術や音楽表現、多くの本番で高めた実践力、試演会でのプランニングの経験が活きてきます。
次に留学。海外で音楽力をさらに磨きたい希望があれば、留学や海外での活動経験のある教員がアドバイス、サポートをします。
さらに学校教育の現場や音楽教室等での活動。在学中に教職課程を履修すれば、中学・高校の音楽教員免許の取得が可能です。子どもの頃から多彩な音楽に触れさせることは、音楽好きな子どもの可能性を広げ、音楽の裾野も広げます。
洗足で理論的、実践的に音楽を深く学び、自身の感性を豊かにして、演奏活動、音楽教育の両方で活躍していきましょう。

コース代表メッセージ

ワールドミュージック
コース
作曲/統括責任者
大江 千佳子 先生

 世界の様々な音楽、楽器を集めて専門的に勉強するという、今までにはない発想のもとに生まれたコースです。
 溢れるような音楽への情熱をもっている先生たちのもとで、様々な音楽のスタイルを学び、研鑽を重ね、自分の音楽の方向性をみつけていきます。ワールドミュージックコースの各ジャンルの先生と接していると、世界には自分の知らない音楽が山ほどあり、それぞれがとても魅力的であることがよくわかります。学生同士の交流でも同じような刺激を受けるでしょう。専門領域以外の音楽の知識や感覚も身につけることで、自身の感性を豊かにし、自分がどうありたいのかを再確認することにつながります。
 本コースのもう一つの特徴に、作曲・録音系の勉強も併せてできることがあげられます。伝統的な曲を勉強することと同時に制作の勉強をすることで、音楽の新たな可能性を探り、自分にしかできない音楽の世界が広がっていきます。
 みなさんの将来の目的や理想の実現につながるよう、私たちはサポートしていきます。

教員からのメッセージ

有田 純弘 先生バンジョー、フラットマンドリン、ドブロギター

世界の民族楽器や民族音楽の面白さは、様々なリズムやメロディを通して、それぞれの音楽が生まれた背景にある各国の歴史や文化をも知ることでしょう。私がバンジョーという楽器に興味を持ち、その奏法を追求するうちに、それが元々はアフリカからアメリカに渡った楽器であることや、世界の音楽はどこかで繋がっていて影響しあっていることを学びました。ワールド・ミュージック・コースで世界の楽器や音楽を深く知り、自分が長い音楽の歴史の一部であるという感覚を持つと、音楽表現への理解も深まると思います。

山下 Topo 洋平 先生ケーナ、サンポーニャ

この楽器の魅力は音色と表現力。基礎を身に着けることで唯一無二の美しい音色と素朴な楽器とは思えないほどの豊かな表現力が手に入ります。また、この楽器のルーツ、南米フォルクローレの本質は多種多様なリズムにあります。世界的にもほとんど知られていない魅力溢れるリズムたち。南米音楽を専門的にやりたい人はもちろん、総合的に音楽を作っていきたい人にも学ぶ価値のある音楽です。まだ誰にも知られていないに等しいリズム、ケーナやサンポーニャの音、これらは新しい魅力のある音楽を生み出せる可能性の宝庫です。是非この楽器、この音楽を一緒に学びましょう!

中根 康美 先生クラシックギター

美しい音色と、直接弦を爪弾くことで得られる繊細な表現力。レパートリーもルネサンスからクラシック、現代、ポピュラーまで。ギターは幅広い可能性を持っている、魅力ある楽器です。1952年制作の映画「禁じられた遊び」では経費節約の為にナルシソ・イエペスがギター1本で音楽を制作したところ大ヒット。ビートルズ、グループサウンズ、フォークの流行と共にギターブームとなりました。僕もその時代にギターを手にし、魅せられた一人です。

学生からのメッセージ

伊藤 陽夏 クラシックギター/3年 神奈川県/北鎌倉女子学園高等学校卒業

「他の大学では経験できない楽器との出会いやアンサンブルの体験」

ワールドミュージックコースでは、私の専攻のクラシック音楽の勉強はもちろん、世界の様々な音楽を自分の楽器で表現したり、いろいろなジャンルの音楽の演奏に挑戦しています。学んだことを発表する場としては、年2回コース主催のコンサートがあります。また本コースには20種類以上の専攻楽器があるので、他の大学では経験できない楽器との出会いやアンサンブルも経験することができます。私は将来プロの演奏家を目指しており、主科のレッスンやマスタークラス、副科のフラメンコギターのレッスンを通して日々精進しています。