教員・指導陣紹介Faculty Member

富川 勝智 Masatomo Tomikawa

[ワールドミュージック]クラシックギター

略歴

伝統的なクラシックギターの王道のテクニックを駆使し、真実のスペイン音楽の音色を継承する唯一無二のギタリスト。バロックギターやビウエラなどを用いた古楽の分野でも精力的に活動を行なっている。またジャズやポピュラーのミュージシャンとの共演も多く、ジャンルに囚われない活動で注目されている。
北海道札幌生まれ。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。その後スペインに渡り、巨匠ホセ・ルイス・ゴンサレスの薫陶を受ける。その後、アレックス・ガロベーに師事し、現代的な奏法と音楽表現法を学ぶ。
2000年に帰国。精力的に演奏活動を行うとともに、ヤマハやシンコーミュージックなどの出版物への編曲や教本執筆も多数。近著として「クラシックギターの教科書」「親子で学べる 子どものためのクラシックギターレッスン」「クラシックギターワークアウトブック」(ヤマハ)がある。音楽史への造詣も深く、ギター専門誌に多数の専門記事を執筆し、ギター史の講義やNHKのギター史関連のアドバイザーなども務める。
CD「Circulation」「Guitar Travelogue」「わたしたちのスペイン」はギター史への深い知識と演奏家としての優れたアンサンブル能力を感じさせる名盤として各メディアにて高く評価され、特に2019年に発売されたソロアルバム「組曲プラテーロとわたし」はレコード芸術誌特選盤に選出され、2021年5月には2枚目のソロアルバム「あなたとわたし~スパニッシュギター秘曲集」をリリース。今まで未知の世界であったクラシックギターのスペインにおけるロマン派から近現代に至る世界を描き出した好盤として高く評価されている。
身体操法についても熟知しており、アレクサンダーテクニックや東洋の身体操法理論をクラシックギター演奏へ応用した先駆者である。伝統的な奏法と現代的な奏法には垣根はないということを実演、録音、著作、ワークショップを通じて証明している数少ないギタリストの一人である。教授活動においても第一線で活動しているプロギタリストを多数輩出している。
洗足学園音楽大学ワールドミュージック科講師(クラシックギター専攻)。公益社団法人日本ギター連盟代表理事。

公式ホームページ
https://tomikawaguitar.com

指導方針

クラシックギターの歴史は長く、奏法や音楽観の変遷をしっかりとふまえながら学習しなければなりません。中でも、タレガ~セゴビア~現代に至るまでの奏法や音楽書法の変化を一般音楽史との知識をふまえながら正しく捉えることは必須です。私の知識や経験を活かしながら、クラシックギターの全体像と現在のあるべき姿をレッスンを通じて伝えていきます。

また専門家してやっていくためには、仕事としての(社会人としての)ギタリスト像を固める必要があります。生徒さん各自の個性を見極めながら、社会との接点をどのように築いていけるかを探していくのも教師としての役目であると思っています。大学という場は社会とどのように関わるかを学ぶ場でもあります。音楽家と社会人は乖離した観念ではありません。忘れがちなこの観点をしっかりと伝えて行けたらと思っています。