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東日本大震災への支援活動/対応

「チャリティーコンサート in 塩釜 Vol.3」開催報告

2018.03.20


2018年3月11日(日)に、塩釜市遊ホール(宮城県)にて「チャリティーコンサートin塩釜」を開催しました。

当日は天気も良く、224名ものお客様にご来場いただき、全18曲、約2時間30分に及ぶコンサートは大盛況のうちに幕を閉じました。

宮城県塩釜市は私の出身地であり、7年前の東日本大震災では多くの被害を受けました。当時私は中学校の卒業式を終え、帰宅したところでした。海沿いにある自宅からすぐ隣の高台へすぐに逃げることができましたが、津波では、自宅は一階部分が流され、つい最近まで顔を合わせていた友人・知人を失いました。瓦礫の処理など物理的に進んでいることは確かですが、未だに身元不明の方々やそのご遺族、震災で苦しんだ全ての方々の気持ちを思うと心が痛くてなりません。

まだまだ演奏会なんてと思い、躊躇していた部分もありましたが、思い切って2年前の3月に企画・開催したのがこの演奏会です。昨年からは敢えて3.11当日の開催にこだわり、演奏会を開かせていただきました。正直、当日の開催には迷いがありましたが、お客様の中には「今年の3.11の夜は前向きな気持ちで終われそうです」「この演奏会があるから、3.11という日は毎年穏やかな気持ちで過ごせます。」などと嬉しいお言葉もいただけて、当日開催の意味を感じ、この演奏会をやってよかったと心から思いました。

出演メンバーは自ら被災地を見て何か感じたいといい、演奏会の直前まで被害のあった地域を訪れ、当日の演奏に繋げようと必死に考えてくれました。今回は、例年通りのクラシック作品や映画音楽や歌謡曲の他に、学部4年の橋本さやか、同じく学部4年の土屋莉帆が書いた震災の復興に想いを寄せたオリジナルの作品も取り上げ、想いが込められた、気持ちの強い演奏会になったと思います。

アンコールには、震災後塩釜市の浦戸諸島にある桂島で生まれた「わせねでや」という歌を出演者全員で演奏しました。この歌は桂島で生まれ育ち、桂島を愛した1人の女性が綴った詩をもとに作られたもので、震災後誰もが感じた「人の優しさ、故郷への愛を忘れることのないように」「震災・津波があっても島が、海が好きだ」という内容が強く歌詞に込められています。

そんな想いが込められた曲では涙を流され、楽しい曲では一緒に盛り上げてくださる、大変あたたかい224名のお客様と共に作り上げた2時間30分は、出演者一同、とても幸せな時間に感じており、これからの財産として今後も活動していきたいと思います。

終演後集められた募金、寄付金総額22,678円は、洗足学園音楽大学被災地支援委員会を通して復興半ばの地域に寄付させていただきます。

この度は、ご来場、誠にありがとうございました。

 

洗足学園音楽大学 学部4年
佐藤寛人