コース紹介

コース代表メッセージ

ピアノコース統括責任
清水 将仁先生

ピアノコースでは、ピアノを学ぶ上で3つのポイントを掲げています。
まず、第1に基礎力の養成。年間30回の実技レッスンで確固たる基礎力と、それに支えられた高度な演奏技術の習得を目指します。第2に様々な形態のアンサンブルの充実。ピアノ二重奏、他楽器との室内楽を経験することにより、アンサンブルの基礎を学び、個々の独立性と協調性の両方を養い、表現の幅を広げます。第3に豊富な演奏経験。ソロはもちろん、コンチェルトソリスト、室内楽など、様々な演奏経験を通じて、高いスキルの習得を目標とします。
現在、ピアノコースの中には、社会のニーズに合わせた様々なクラスがあります。ピアノ実技レッスンを主として、将来の目標に合わせ、一人ひとりのレベルに応じた指導で基礎から高い専門的スキルまでしっかりと学ぶことが出来ます。ピアノコースでは卒業後、ピアノを武器に様々な分野で活躍できる人材の育成を目指しています。

  • 身体作りから始める基礎力の育成
  • 個人レッスンで学生のレベルに応じた基礎力、表現力の充実を図ると共に、ボディマッピング+御木本メソッドの授業では身体と指の構造を理解し、無理のない効率的な演奏法をマスターします。
  • 様々な形態のアンサンブルが充実
  • 連弾、二重奏、声楽伴奏法、器楽伴奏法、バレエ伴奏など、様々なアンサンブル能力を高めると同時に、音楽表現における多角的な視野を身につけます。
  • 多様な音楽シーンに対応する適応力の育成
  • オーケストラや電子オルガンをバックにしたコンチェルト、アンサンブルコンペティション(連弾、2台ピアノ)、学内コンクール(隔年開催)、選抜演奏者によるコンサート他、多くの演奏会があり、実践を通じて音楽的な適応力を身につけます。

教員からのメッセージ

浦壁 信二 先生
ピアノ・プロフェッショナル・パフォーマンスクラス   
ピアノ&作曲マスタークラス 責任者

ピアノという楽器は例外的なほど多くの優れたレパートリーに恵まれてきました。鍵盤楽器はハーモニーを奏でる平易さに優れ、現代のピアノが出来上がる前身の楽器の時代から常に合奏の要として位置付けられてきましたし、同時に自己完結を実現するソロ楽器としての大きな可能性が探求・実証されてきました。

音楽史的にも重要な作品の数々が生み出された背景には、ピアノが多くの作曲家にとって一番身近な楽器だった事例を忘れることが出来ません。実際に自身がピアニストとして活躍した(している)名手も数多く挙げることが出来ます。
そして同時にピアノの為の傑作群は鍵盤を操る技術はもちろんのこと、全体をコントロールする優れた耳と、それを実現させる深い理解力と総合力を我々ピアノ奏者に常に求めてきます。 洗足学園音楽大学ピアノコースに於ける2つの演奏家養成プログラムが、高い演奏技術に加え“作曲家の視線を合わせ持った”と謳っているのはこうした背景に基づいています。

PPP(ピアノ・プロフェッショナル・パフォーマンス・クラス)に於いては二人の先生からのピアノ実技レッスンや著名な講師陣による特別レッスンに加え、数多くのレパートリーが必要とされるいくつもの発表の場を通して演奏の経験を重ね、演奏家としての自己を確立していく過程を経験することが出来ます。
一方P-com(ピアノ&作曲マスタークラス)に於いてはピアノ実技レッスンや特別レッスンに加えて作曲の先生による定期レッスンが受けられ、創作等の活動を通してより深い洞察力と総合力を身に付けることが出来ます。
両クラスに用意された共通授業に於いては音楽理論の理解や分析力の補完と促進を、仲間との学習や実習の中で目指します。

一口に演奏家といっても様々な方向性があり自己と向き合いながら極めようとする道のりは決して平坦ではないと思いますが、親身になって下さる先生方と仲間の存在が必ずや背中を後押しする力になってくれる事と思いますし、何より自分の求める音や音楽に近づけたときにこの上ない喜びを感じる事が出来ることでしょう。
素晴らしい可能性を秘めたピアノという楽器を通して、自己を実現していこうとする皆さんの挑戦のお手伝いが出来る事を、心から楽しみにしています。

江崎 昌子 先生ピアノ指導者養成クラス責任者

「魅力的な指導者」になるためには、常に創造力を働かせて十人十色の生徒それぞれに対応できる多くの引き出しを持つ先生になることではないでしょうか。ひとりひとりの生徒が成長するのに必要なものが何かを見極め、その問題に取り組める方法を一緒に考え、そして生徒をやる気いっぱいにさせるには「先生」の存在は多大です。
指導者養成クラスでは、あらゆる場面で幅広い年代の生徒に対応するため、5科目のレッスンから選択し半期ごとにそれを発表する機会を設けています。
指導者養成クラスの在学生は、ここで学ぶことが自分の主科実技にも役立ち、また様々な場で指導者として活躍を始めた卒業生からは、ここでの経験が今こそ生かされているという声が届いています。
2年間の履修を通して、指導をするということがいかに常に自分自身が勉強をしなければいけないかを改めて感じとり、憧れの先生になるためのステップを踏んで下さい。

門倉 美香 先生アンサンブル・スタディ・クラス責任者

本学では鍵盤楽器だけでなく管楽器、弦楽器、打楽器などいろいろな楽器について学ぶことができます。では、ピアノが他の楽器と異なるのは、どのような点だと思いますか。
ピアノは、他の楽器と比べて圧倒的に音域が広いです。その音域の広さはオーケストラの音域を凌駕しています。さらに音楽の3要素であるメロディー、リズム、ハーモニー、これらの全てについて、1人の演奏者により賄うことができることもピアノの特徴だと言えます。1人で音楽を完成させることが可能なピアノで、あえてアンサンブルを学ぶ意味について考えてみましょう。弦楽器や管楽器は主にメロディーの演奏に、打楽器は主にリズムの演奏に、特化した楽器です。そのような楽器との音楽を通じたコミュニケーションにより、ピアノを1人で演奏している時とは異なる他の楽器の演奏者の持つ視点に気づくことで、皆さんの奏でる音楽にさらなる深みが出ることにあります。
このクラスでは、ソリストとしてだけでなく、伴奏ピアニストとしても優秀な学生を数多く輩出してきました。クラスでの学びを通じて、演奏家にとどまらず音楽家としてさらなるレベルアップを目指して下さい。

梶木 良子 先生アドバンスト・ポピュラー・スタディ・クラス責任者

様々な音楽が生まれ続けている現在、クラシック、ポピュラー、ジャズといったジャンルの垣根を超えた次世代のピアニストを育成する――それが洗足学園音楽大学ピアノコースのアドバンスト・ポピュラー・スタディ・クラスです。 本来クラシックは、楽譜にある音符を忠実に、作曲家の意図を読み取り再現します。一方でポピュラーやジャズは、コードネームを理解して、演奏家が自由にアレンジして演奏する音楽です。一見するとそのアプローチ方法は異なるように思えますが、その根底にある演奏技術、リズム感、音色作り…といった、ピアノを演奏する上で大切なことは共通しているのです。 ピアノコースの学生としてクラシックで基礎をしっかりと学び、その基礎能力をベースとしてポピュラー音楽を学ぶ。そうすることで、双方の能力のレベルアップにつながり、様々な音楽ジャンルの仲間とのセッションも可能なピアニストへ成長できると考えます。こうしたフレキシビリティな学習環境は、多様なコースがあり、プロフェッショナルな講師陣が揃った洗足学園だからこそ、実現出来るのです。 是非このクラスで学び、マルチなピアニストになって、あなたの演奏活動の幅を広げませんか。 

コースの特徴

ピアノコースでは、卒業後ピアノを武器に様々な分野で活躍できる人材の育成を目指しています。個人レッスンでは、一人ひとりのレベルに応じた指導で、演奏技術を基礎から鍛えます。また、より効果的にレッスンでの学びを吸収できるよう、身体の使い方を理解させ、演奏に生かす授業も用意しています。ソロ(独奏)だけではなく、様々なスタイルのアンサンブルや伴奏法などの授業を通して、他人と音楽的なコミュニケーションの機会を作り、豊かな表現力を自らの演奏にフィードバックできるようなカリキュラムになっています。多くの演奏の機会は、実践を通じて緊張を克服することができるよう、強い精神力や音楽表現を育み、目標に向かうモチベーションを高めていきます。

将来の夢を叶える為に希望者は、3年次から週2回のダブルレッスンを受講することができます(オーディション有り)。ピアノの実技レッスンに加え、各クラス専門の先生のレッスンを受講することで、より一層高いスキルを得ることができます。

  1. A ピアノ指導者養成クラス
    中高教員、ピアノ指導者、音楽教室講師に要求される指導力を育成します。
    【クラス別実技レッスン】
    ●ピアノ指導法 [担当]西川 麻里子 他
    ●リードシート伴奏法/弾き歌い/即興演奏 [担当]原田 愛、松浦 真沙 他
    ●御木本メソッド [担当]恩田 明香 他
    ●電子オルガン実技 [担当]赤塚 博美 他
    ●ピアノ初級作品研究/レパートリー [担当]木幡 律子 他
  2. B アドバンスト・ポピュラー・スタディ・クラス
    「クラシックの品位」「ジャズのセンス」「ポップスのポピュラリティ」を備えたピアニストを育成します。
    【クラス別実技レッスン】
    ●ポピュラースタイル・ピアノレッスン[担当]瀬田 創太、上野山 英里 他
    ●ジャズスタイル・ピアノレッスン[担当]蟻正 行義、片倉 真由子 他
  3. C アンサンブル・スタディ・クラス
    他楽器に関する専門知識を身に付け、音楽的に高度なコミュニケーション能力を持つ伴奏者、室内楽の専門家を育成します。
    【クラス別実技レッスン】
    ●器楽伴奏法/器楽アンサンブル[担当]浦壁 信二 他
    ●声楽伴奏法 [担当]冨平 恭平 他
    ●バレエ・ダンス伴奏法[担当]篠原 真、小泉 直美、稲葉 智子 他

演奏家育成プログラム

高い演奏技術に加え作曲家の視線を併せ持った演奏家を育成することを目標に志向に応じて2つの学習方法を用意しています。 ※定員若干名

2人のピアノの教員によるダブルレッスンに加え、招聘教員による特別レッスンを受けながら数多くのレパートリーの習得を目指し、将来の演奏活動の基盤を築くことを目標としたクラスです。通常のピアノコース以上のレパートリー量が求められる定期試験やその他の演奏の機会に加え、作品分析等の理論系特別授業により作曲家の視点を踏まえたより深いアプローチを目指します。 
 ※進級時に継続審査あり。

通常のピアノレッスンと平行して作曲の教員によるレッスンを受けながら、幅広い見識に基づいた応用力と作品の本質に迫るアプローチを身に付けた音楽家の育成を目指すクラスです。作曲のレッスンでは作品分析や理論の学習の他に作曲実習を実施するため、作曲家の視点を体験できるユニークな機会です。
3つの理論系特別授業も含め、知識を演奏に活かしてより深い作品へのアプローチを目指します。 
 ※進級時に継続審査あり。


※ピアノコースの授業(チェンバロ実習、オーディションクラスの授業、副科レッスンは除く)も履修可能です。

学生からのメッセージ

ピアノコース

山口 琴世 愛知県/豊丘高等学校

洗足のピアノコースの魅力は、仲間と切磋琢磨しながら可能性を追求し、成長できる環境があることです。学内オーディションにチャレンジすることで本番に臨める機会も多くあり、貴重な演奏経験を積むことができます。自分に必要な科目を自由に選択し目指す先へ向かって着実に一歩一歩近づいているのを実感しています。様々な形態のアンサンブルを学ぶ授業では、相手の音を聴く力を養い自分の役割を理解することによりソロでの表現の幅が広がるのも魅力です。

アンサンブル・スタディ・クラス

小嶋 みのり 甲斐清和高等学校

私は元々アンサンブルをすることが好きだったため、アンサンブルを専門的に学べるこのクラスに入りました。器楽や声楽、バレエなど様々な伴奏法の中から自分が学びたい内容を選択でき、主科レッスンとは別に毎週50分のレッスンを受講できます。人とアンサンブルをすることにより、様々な音楽表現の方法を知ることができ、実際にソロの演奏にも活かされていると感じます。洗足はバラエティ豊かな授業と数多くの演奏機会を通して、4年間でとても成長することができます。

ピアノ指導者養成クラス

木元 るり子 香川県/立坂出高等学校

私は、ピアノの演奏だけでなく指導する立場としての勉強もしたい思い、ピアノ指導者養成クラスに入りました。ピアノ指導について多角的な視点で学べるカリキュラムが用意されており、その中から自由にレッスンを選択することができるので、自分が興味のある分野への理解を深められたと感じています。親身になって指導してくださる先生方や、学内の充実した環境の中で、のびのびと音楽に取り組めることが洗足の魅力だと思います。

アドバンスト・ポピュラー・スタディ・クラス

今岡 麗 高松第一高等学校

私はクラシック以外の音楽も学びたいと思い、このクラスに入りました。今までジャズやポピュラーを本格的に学んだことがなかったため、新しい発見が多く、日々刺激を受けています。クラシックとポピュラーそれぞれのレッスンで学んだリズム感や表現の仕方を、異なるジャンルの音楽を演奏する際に活かすことができています。また、洗足にはたくさんのコースがあるため、様々な音楽に触れられる機会が多く、他コースの学生とのアンサンブルを通じてより高い技術を身につけることができます。

ピアノ・プロフェッショナル・パフォーマンス・クラス

村木 夏帆 中央大学附属高等学校

ピアノ・プロフェッショナル・パフォーマンス・クラスでは2名の先生からレッスンを受けることができます。私はその点に魅力を感じ、このクラスを選びました。それぞれの先生による異なる視点からの指導は、多様なアプローチで作品に取り組むことに繋がり、音楽表現の幅が広がりました。また、洗足はコースの垣根を越えた演奏会や、演奏芸術の実践的な授業が豊富です。学内外の演奏活動に積極的に挑戦できる環境を備え、第一線で活躍されている先生方が親身になってサポートしてくださる、まさに理想的な大学だと思います。

ピアノ&作曲マスタークラス

西川 真衣 活水高等学校

私は、週に50分ずつピアノと作曲のレッスンが受けられ、作曲の視点からも音楽を学び演奏に活かすというP-comの特性に魅力を感じこのクラスを選びました。私は今まで作曲の授業でしか作曲経験が無かったのですが、毎週のレッスンで多くのアドバイスを頂きながら自分のペースで作曲に取り組むようになり、演奏においても表現の幅や視野が広がったように感じます。学んだ事をたくさんの演奏会や他コースの学生との交流で活かせる事も洗足の魅力の一つです。