大学院

【レポート】『大学院ピアノ指導法公開講座 〜ピティナ専務理事 福田成康氏を迎えて〜』

2017.11.08

指導法講座で学んだこと


大学院1年 山田真紗子

 私が外部で実際に教え始めて2年になりますが、最初に教えた時はどのように教えてよいか分からず、教える方法を真似してみたり相談したりしてやっと慣れてきたかなと実感しています。完璧に生徒さんの特徴を掴みきれておらずたまに不安を感じることもありましたが、今年から始まった指導法で様々なことが学べられているなと思いました。

 先ず生徒さんがどのような状況であるか(生徒さんのレベルや進行状態等)、短い時間の中で何をポイントに言ってあげるか、そのポイントを生徒さんが理解するまで教える。単純なことなのですがとても奥深く、教えることの重要さを改めて実感させられました。又、10月26日に行った指導法講座では小学5年生で、ピアノを始めてから5年ほど経った藤本紗衣ちゃんとお母様にお越し頂き実際にレッスン形式で講座を行いました。

 その日はブルグミュラー〈さようなら〉、ケーラー〈ポロネーズ〉を題材に取り上げました。ブルグミュラーでは符点四分音符と八分音符が曖昧になっていたのでそれをどのように教えれば今後間違えないかを皆で話し合い、結論として理論的に話すのは生徒さんによっては分からないので音で説明をしてあげると分かるのではということを教えて頂き、伸びているリズムを感じながら少しクレッシェンドするように歌うことをしたら少し分かってきたかなと思いました。3連符が紗衣ちゃんにとって難しいとのことだったので今回は左の3連符をピックアップして上手く弾ける方法を考えました。すると、小指が寝ていたのが原因で重くなり弾きにくくなっていると分かり、指はどこから動いているか、和音を弾いた際、小指がしっかり立っているかの認識をさせ指を立てて弾くと徐々に弾きやすくなってくるということを実感してもらいました(すぐにはできないので少しずつ練習をするとお話しをしました)。又、この曲がどのような作り(構成)になっているかを認識させ場面の変化に気付いてもらうことをしました。イメージをすることで題名に合った音を聴いている人に伝わるかどうか、を実践しとても変化したのを覚えています。

 ケーラーでは例えを作り、次の日に本番があるとしてワンポイントアドバイスをするとしたら何をアドバイスするかとのテーマに対し、ポーランドの踊りを意識するという意見を提供し、ポーランドの宮廷である舞曲のリズムの特徴(スタッカートは足を跳ねている場面等)を掴んで弾くというアドバイスをしました。そのことを紗衣ちゃん自身が感じるだけでも違う雰囲気が出るのではないかと感じました。

その後、ピティナの福田専務理事からのお話しがあり、私がとても実感したことは子どもが習い事をするのにピアノは25パーセントに至っていますが、昔に比べて現在は確実にピアノを弾くことが普通になっていること。今や少子高齢化社会となっている中でもピティナを受けたいという生徒さんが増え続けていることを知り、このご時世でも先生が少ないのだなと思ったことです。そのお話しを聞き、教えることの大切さを改めて実感しました。指導力を上げることは私たちにとっての今の課題であり、いかにしてピアノが楽しいと思ってもらい、ピアノを続けてくれるかということを真剣に向き合う必要があるなと思い、改めて、この講座の有り難さを実感しました。在学中にチャレンジしたいと思いましたが、大学院修了後は指導者ライセンスを取得し、指導者の一員としての引き出しをたくさん持ち、生徒さんに発信したく、教えるにあたり生徒さんが楽しく、確実に上達できる方法をもっと学んでいきたいと思いました。

 教えることがとても楽しい反面、どのように教えれば生徒さんは理解して今後も練習してきてくれるか、まだ教える経験が浅いので全てを上手くこなすのは本当に難しいなと思いました。ですが、この指導法が始まってから今日まで教えて下さったことを色々な生徒さんに実際に取り入れていくと今までとは違ってしっかりと自分の音を聞いて音の間違えに自ら気付いている生徒さんや、今まで何も言わなかったのに積極的に弾きにくいところを聞きに来てくれる生徒さんが出てきたなと実感しています。まだ実践して間もないですが今後も生徒さんに合ったレベルで確実にレベルアップできるような教え方を身につけて今後も受講して参りたいと思いました。