バレエコース

バレエコース本公演「白鳥の湖」が毎日新聞に掲載

2017.01.13

毎日新聞の夕刊に大学生記者報告による「キャンパる」のコーナーで、本学バレエコースが取り上げられました。

キャンパる
洗足学園音楽大バレエコース プロと舞う「白鳥の湖」 リハ3カ月、和気あいあいと

本番を間近に控え厳しい練習の中にも、 和気あいあいとした雰囲気が漂う=洗足学園音大で

「白鳥の湖」の公演=同大前田ホールで (スタッフ・テス提供)


洗足学園音楽大学(川崎市)音楽学部バレエコースが、昨年12月29日から3回にわたり、同大の前田ホールで、バレエ「白鳥の湖」の公演を行った。これは、学生がプロのバレエ団員と共演できる、学生たちにとって夢のような企画。リハーサルと公演当日の2日間、密着取材した。【東洋学園大・釘田まこと】
 同大バレエコースは2015年に新設されたばかり。大きな特徴は入学時に所属するクラスを選べること。さまざまなバレエ団員から結成されているグローバルクラス、谷桃子バレエ団員で結成されている谷桃子バレエ団クラス、牧阿佐美バレヱ団の団員で結成されている牧阿佐美バレヱ団クラスの3クラスがある。3クラスに履修上の大きな違いはないが、「個性を持ついろいろなバレエ団の団員から教わり、吸収してほしい」(同大)との狙いがある。
 また、音楽大学らしく普段のレッスンからピアノの生演奏で行われる。さらに公演では、洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団が生演奏する。同楽団は、同大の秋山和慶特別教授の下、プロを目指す若手演奏者で結成されている。
 今回記者が取材した、谷桃子バレエ団クラスの学生数は17人。そのうち男子学生はわずか2人。著名ダンサーの熊川哲也さんにあこがれてバレエを始めたという2年生の門倉祐貴さん。「女子が多くて肩身が狭い」と笑いながらも、本番では堂々とした踊りをみせてくれた。バレエに欠かせないパ・ド・ドゥ(男女2人の踊り手による踊り)のレッスンも月に1回行われるため、少ない男子学生は大活躍だ。
 リハーサルでは本番の1週間前にもかかわらず和気あいあいとした様子。それも、「2年生が優しくフォローしてくれるおかげです」と1年生の中村杏奈さんは言う。公演の配役は日ごろのレッスンや舞台での出来栄えはもちろん、授業の出席率も考慮するという。
 リハーサル終了後、女子学生たちの足をみせてもらった。長時間トーシューズ(バレエを踊るときに履く爪先が固くなっている靴)を履いている彼女たちの爪は、内出血で真っ黒。指はまめだらけになっていた。「サンダルが履けないのが悩み」とバレエならではの悩みを教えてくれた。
 公演に向けての練習はほぼ毎日行われている。多い時には1日に5時間もリハーサルがあるという。この日も午前中は学校でリハーサルをしてから、谷桃子バレエ団に向かった。しかし、大学のため授業が優先。3限がある学生は、午後2時半に授業を終えてから向かった。バレエ団の理解があるので安心だ。今回の公演で王子役を務め、芸術監督でもある斉藤拓さんは「プロになっていない段階で、プロと踊るのは大変」と語る。だが、良い経験になると学生たちの成長を見守る。
 迎えた29日の初日本番では、開演1時間前にもかかわらず200人ほどの観客が、受付に並んでいた。観客は子どもから大人まで幅広い年齢層。
 ダンサーは学生17人を含む総勢50人。公演は洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団の生演奏で華やかに始まった。白鳥の湖は第4幕まである。そのうち第1幕と第3幕はバレエ団員と学生が一緒に踊った。今回、主役のオデットはバレエ団の団員が踊ったが、多くの学生が主要な役を務めていた。
 第1幕でパ・ド・トロワ(3人による踊り)を踊った2年生の大野理彩さんは公演3日前に相手役のダンサーがけがをして代わるというハプニングがあった。それでも、「プロの団員さんの中で、自分なりに頑張りたい」と舞台前に語っていた彼女は見事に踊りきった。谷桃子バレエ団クラスを指導する井口美穂さんは「学生、プロは関係ない。見に来てくださるお客様に楽しんでもらえることが大切」と話す。
 約3カ月間リハーサルを重ねてきた「白鳥の湖」は大盛況で幕を閉じた。中高生時代バレエをやっていた記者もまた、みんなの頑張りを見て、踊りたくなった。次回の公演も楽しみだ。


◆毎日新聞 キャンパる