指導陣検索Faculty Member Search
[ミュージカル]
ヴォーカル
アジアとヨーロッパを中心に、コンサート、舞台、テレビ、ラジオなど多様なメディアで活動中。
現在は、自身のソロアルバム制作および新たなコンサートプロジェクトにも取り組んでいる。
ハンガリーミシュコルツ出身。高校時代に『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンを演じたことをきっかけに、演劇の世界に惹かれる。その後、ブダペストで演技と歌を学び、キャメロン・マッキントッシュの奨学金を得て、イギリスのエルムハースト・バレエ学校で3か月間、歌とダンスを学んだ。その後、ウィーンに拠点を移し、本格的にプロとしてのキャリアをスタートさせた。
転機となったのは、映画監督ロマン・ポランスキーの演出、ロック界のレジェンド ジム・スタインマンの音楽によるミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』世界初演への出演。20歳でテノールソロおよび伯爵の息子ヘルベルト役に抜擢され、1000回以上の公演に出演。
1998年には、ブダペストのオペレッタ劇場にて『エリザベート』のトート(死)役を演じ、国際的な評価を得る。その後も、『ウエスト・サイド・ストーリー』のトニー役、『FALCO サイバーショー』のモーツァルト役、『CHESS』のフレディ役など、数々の主演を務めた。2003年からはウィーンのアン・デア・ウィーン劇場でも再びトート役を演じ、圧倒的な存在感と表現力で観客を魅了した。
2006年にはウィーン版『エリザベート』の来日公演にて日本デビュー。以来、ほぼ毎年のように日本で舞台やコンサートに出演し、ハンガリー語・ドイツ語・英語・日本語の4言語を自在に操る稀有な俳優として高く評価されている。
2011年には、作曲家フランク・ワイルドホーンによる日欧共同制作のミュージカル『MITSUKO〜愛は国境を越えて〜』世界初演で主演。欧州貴族と日本人女性の国際結婚を題材としたこの作品で、深い演技力と多言語での表現力を発揮した。2012年には『エリザベート』日本公演20周年記念版で再びトート役を日本語で演じ、ウィーン・ブダペスト・東京という3都市・3言語で同一役を演じた唯一の俳優となった。
これらの功績により、ウィーン版『エリザベート』のDVDは4枚のプラチナディスク、CDはダブルゴールドディスクに認定される。2014年には日本国外務省より「V4+日本交流年」ハンガリー親善大使に任命され、国際文化交流への貢献が高く評価された。
2025年には東京・コットンクラブでのマヤ・ハクフォートとのコンサートが全日程即日完売。続く中国4都市ツアー(深圳・仏山・杭州・北京)も大成功を収め、総動員数は6,000人を超えた。
主な出演作品(抜粋)
『エリザベート』 トート(死)役〈ウィーン/ブダペスト/日本〉〈主演〉
『MITSUKO~愛は国境を越えて~』 ハインリヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵役〈主演〉
『ダンス・オブ・ヴァンパイア』 ヘルベルト役〈メインキャスト〉
『ウエスト・サイド・ストーリー』 トニー役〈主演〉
『フェーム』 ニック役〈主演〉
『チェス』 フレディ・トランパー役〈主演〉
『LULU』 Jack the Ripper(切り裂きジャック)役〈主演〉
20年以上にわたるミュージカルの舞台経験を持つ俳優として、私の指導方針は、真の芸術性とは「技術的な規律」「感情の誠実さ」、そして「物語への深い理解」が組み合わさることで生まれる、という信念に基づいています。『エリザベート』のトート(死)役を3言語で演じ、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』に1000回以上出演する中で、私は舞台における一貫性、スタミナ、そして微細な表現の力を理解するようになりました。こうした力を、私は学生たちに伝えていきたいと考えています。
私の教育アプローチは、非常に実践的かつ協働的です。歌唱や演技の技術を教えるだけでなく、シルヴェスター・リーヴァイ、小池修一郎、ハリー・クプファー、ジム・スタインマン、ロマン・ポランスキーといった世界的な作曲家・演出家たちと共に仕事をして得た“現場からの知見”を共有することを大切にしています。私は、学生たちが芸術的なリスクを恐れずに挑戦できる、安全で刺激的な環境をつくることを目指しています。そこでは、自分らしさを育み、自信あるパフォーマーとして成長できることが何よりも重要です。
私にとって「教える」とは、知識を伝えることではなく、一人ひとりの持つ独自の可能性を育てていくことです。舞台に立つ力だけでなく、誠実さ、強さ、そして創造力を土台に、芸術の世界で長く生きていける力を備えた表現者へと導くこと。それが、私の目標です。